東京都の港区芝浦に位置する泰巌歴史美術館は、日本の美術史においても重要な役割を果たしている美術館です。泰巌歴史美術館は、北斎や国芳、広重、尾形光琳、仁清など、江戸時代から明治時代にかけての造形芸術作品を中心に収蔵しています。また、ヨーロッパの美術品や珍しい海外の芸術作品も所蔵しており、多様な美術品を楽しむことができます。 泰巌歴史美術館の特徴の一つは、常設展示室にある「日本絵画展示室」です。ここでは、代表的な絵師たちによる江戸時代から明治時代の絵画作品が展示されています。襖絵や屏風、掛け軸といった器物の中に収められた美術品は、相互に連携しながら美しい空間を演出しています。また、折衷主義の代表的な作品とされる尾形光琳の「松林図屏風」や、鉄線のように細い画線で描かれる画力を持つ仁清の「梅図屏風」など、江戸時代における使われ方や描かれ方に着目することができます。 さらに、泰巌歴史美術館の常設展示室のひとつである「欧洲展示室」では、ルネサンス、バロック、ロココ期のヨーロッパ絵画作品が展示されています。特に有名なのは、青いマントを纏った聖母子像で知られるラファエロの「聖母子半身像」。また、リベルタスの「ドレスデンのマドンナ」や、クラナハの「聖セバスチャン」など、ヨーロッパの美術に詳しい方には見逃せない展示物が多数あります。 泰巌歴史美術館のもう一つの特徴は、展示の多彩さです。日本の絵画作品やヨーロッパの美術品はもちろんのこと、中近東やインド、中国など、様々な地域からの芸術品が展示されています。たとえば、アラビア語で「宣言」を意味する「ニザーム:アル=カラーム展」では、アラビア文字を使用して宣言する様々な芸術作品が展示されています。また、インドからはタージマハルの父とも称されるシャー・ジャハンの南、中央、北インドの彩り鮮やかな宝飾品が展示されたり、中国からは骨董品、掛軸、陶器などが展示されたりしています。 さらに、泰巌歴史美術館で見逃せないポイントは、季節ごとの展示会です。季節企画展示では、年間を通して様々なテーマに基づき展示品を切り替えており、春には花鳥画、夏には清流や海に関するもの、秋には月や雁に関するもの、冬には雪や梅に関するものなど、見どころ満載です。また、季節のイベントに合わせた特別展示も行われ、土地の文化や伝統を知る上でとても有益です。 最後に、泰巌歴史美術館は近代建築家、坂倉準三氏が設計した建物で、内装にまでこだわっており、日本の美術館としては珍しく、館内の設備も充実しています。展示室内には、音声ガイドや説明書、ビデオやオーディオなど、質の高い情報提供もされており、見学する際のサポートを受けることができます。 以上、泰巌歴史美術館の特徴やおすすめポイントを紹介してきました。収蔵品の多彩性や季節の展示など、見どころが豊富な美術館なので、美術に興味のある方は、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。

泰巌歴史美術館の入館料金

一般:1500円 高校・大学生:1000円 小・中学生:500円 未就学児:無料 障害者手帳提示の方および同伴者1名は、2割引き

泰巌歴史美術館の詳細情報

展示ジャンル人文歴史
開館時間10:00~17:00
所要時間
定休日毎週月曜日(祝日の場合は翌日)
電話番号042-726-1177
※お問い合わせの際には【イーミュージアム】を見たとお伝えください
アクセス小田急線 町田駅北口より徒歩5分
住所〒194-0021 東京都町田市中町1-4-10
Googleマップ
公式サイトhttps://www.taiyo-collection.or.jp/
泰巌歴史美術館詳細情報